資産除去債務とは、土壌汚染対策やアスベスト処分など、有形固定資産を除去するための将来費用のうち、法・条例・契約等で実施必須な債務のことです。
2010年4月1日以降の事業年度から、上場会社、及び上場会社と連結決算する関係会社等は、この将来費用を減価償却して会計処理するという内容の新会計基準であり、企業会計基準委員会が今年3月31日付けで発表したものです。
法・条例・契約で実施必須な有形固定資産の除去にかかる将来費用の主なもの
有形固定資産の除去や環境保全にかかる費用は、従来であれば発生年度で会計処理をされました。しかし、土壌汚染対策費用等は、極めて高額であり、対策する当該期のみで処理すると多大な損失となり、赤字決算にもなりかねません。
新会計基準の目的は、そのようなリスクを回避するため、将来費用の早期減価償却を考慮した企業の現在価値を評価することと言えます。
また、資産除去債務を反映させた会計処理は、企業のM&Aを想定した、企業対象の資産評価を現在価値で評価するためにも必要です。
さらには、法・条例・契約にかかわらない、環境保全にかかる将来費用(環境債務)についての情報を開示して、投資家の信頼を得るためにも必要です。
当組合が扱っている波形スレートは、平成16年10月1日以降に製造された波形スレートについては無石綿の波形スレートですが、それ以前に製造され、建物に使用されている波形スレートは、アスベスト含有建材で、資産除去債務に該当いたします。
工場など解体時のアスベスト含有建材(石綿波形スレート)の解体やその処分費用は、自己算定が簡単ではありません。
解体時には、「労働安全衛生法」、「廃棄物処理法」、「石綿障害予防規則」に基づく事前調査、計画作成・届出、特別教育、作業主任者の選任、作業基準の遵守が要求されます。
近畿スレート販売協同組合では、傘下の組合員と共に現地調査など行い、算定する体制を整えております。組合または、組合員へご相談ください。