最近、各種メディア等で報道され、社会問題にまで発展した石綿問題は、吹付石綿(レベル1)や石綿保温材(レベル2)が大きな対象であるにもかかわらず、屋根・壁等に使用されている石綿波形スレートも同一なものとして扱われ、一般の方に大きな誤解を植えつけてきました。
しかし、既設の石綿波形スレートはセメントで板状に固められ、通常の状態では繊維が飛散する可能性は極めて低く、特に環境や健康面への影響もないと考えられています。
また、解体作業時も、非飛散性アスベスト成形板として「レベル3(最軽量)」に区分されています。(※石綿障害予防規則参照)
石綿波形スレートの廃材処分は、環境省より、適正処理についての技術指針が出て、「がれき類」、「ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず」として安定型処分場での処理が可能であるにもかかわらず、すでに管理型処理費に近い処理費が必要なほど、廃材処理費の値上がりが進んでいます。
今後、ますます処理費の高騰が考えられますので、速やかな石綿波形スレートの撤去処理をおすすめします。
石綿波形スレートの解体作業は、「石綿障害予防規則」において、非飛散性アスベスト成形板として「レベル3」に区分され、手バラシをすることで、発じんの最も少ない作業です。
波形スレートの改修は、同じ波形スレートで行えば、修繕費として損金算入ができ、税法上有利となることがあります。他部材を使った場合は、償却資産となり、損金算入は認められません。
いずれにしても、所轄の税務署に相談して着手することをおすすめします。