一般的な大波スレートの屋根工法は1山半重ねとし、葺き重ねの際、大波スレートの隅の上下左右が4枚重ねにならないように中にはさまれた2枚の隅を斜めに切り落とし突付けとする隅切葺きを原則としています。
屋根・壁兼用大波スレート、壁専用小波スレートの施工は、隅切り葺とするのが原則です。縦横重ねの重なる部分の隅を切り落として、重ね部分のもち上がるのを防ぎます。
スキルソーまたはハクソー(スレート用鋸)を用いて切断します。
すみ切りの寸法 |
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大波スレート<屋根>(左葺きのとき) |
小波スレート<外壁>(左葺きのとき) |
隅切りした波形スレート(2)を1.5山重ねとして順に、そろえて葺きます。
縦重ねは約15cm。上下が重ね縫合しないように隅切りした波形スレート(3)と(2)を突付けとします。
(3)にそろえて(4)を葺き上げ、3枚重ねとなるようにします。
葺きかたとして、右葺き・左葺きの方法があり、いずれも下部から上部に向かって葺き上げます。屋根と同様に隅切葺きとし、横重ねは1.5山とします。
孔開けは電気ドリルを用い、孔の径は使用する留め付け金物の径より約2mm大きく開けてください。板幅に1列2ヶ所の割に開けます。
葺き始めは、その地方の風向きを考慮し、風下を基点として割り付けをきめます。
施工はまず軒の出をきめ、妻側の出は、ケラバ板の取り付けを考えて、なるべく母屋の出に合わせます。
軒先通りに水糸をはって軒先きの出を一定になるようにし、横1段と葺き始め側の流れ1列とを葺き並べ、仮止めしながら逐次棟際に葺き上げます。
葺き上げ後、波形スレートが下地になじんで本じめします。
大波葺で横重ね1山半の場合、横働き寸法は6山すなわち78cm、また縦重ね寸法は勾配3/10以上は約15cm、3/10未満は重ね目にシール材を使用して防水処理してください。
風向きや建物の種類、その他長尺流れの場合など、その条件によって重ねを調整し、シール材の併用を考慮してください。